保育士辞めたいの私だ

Suicide Outreach ~保育園という『戦場』で傷つき、生き残り、うつや悩みで辞めたい現役保育士を救済するブログ~

育児休業後にスキルアップして復帰できる唯一の職業

先日の『ガイアの夜明け』では「働き方が変わる、人生再挑戦から」という内容で、中でも「"復職ママ”は戦力になるか」というのはとても興味深い内容でした。

女性が退職・復職をする理由

何を隠そう、私は正社員を1年で辞め、専業主婦からパート・派遣社員を経てフルタイムで働く保育士になりました。

女性はなぜ仕事を辞め、そして再び仕事をしようと思うのでしょうか。

 

ガイアの夜明けに出てきた女性は、大企業で働いていたキャリアウーマンでしたが、夫の転勤や子育てのために退職しています。

 

子育てのために退職された方は

「仕事と子育て、必死に100%以上の力でやっているのに、どちらも60%くらいしかできていないことへのジレンマ」

が退職した理由だったと話します。

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出産前から育児中は働きたいのに働けない

最近では男性が育児休暇をとることができるといわれてきていますが、実際のところ男性の多くが休めるのはせいぜい出産のときと退院の時くらいではないでしょうか。

多くのママが育児休業を取るために子どもが6カ月から1歳になってから仕事に復帰する方が多いようです。

でも、この世に生れて6カ月程度しか経っていないのですから、順応力もまだ十分備わっていません。丁度母親の胎内にいた時や母乳から得た免疫力がきれ病気にかかりやすくなる時期でもあります。

この時期に復帰したママの中には、子どもが次々に病気になり、早退・欠勤を繰り返すためにほとんど仕事に行けないと言う状況になる人も多いのです。

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休む間もない育児に苛立ってしまうことも

また、家事は効率化を図ることで時間を作ることが可能ですが、育児は24時間365日お休みがありません。

 

気持ちに余裕がないと、5分毎に呼ばれてさほど重大と思われないことを聞かれると、だんだんイライラしてきます。ましてや兄弟がいればこれが2倍。

つい、適当に返事をしたり、声を荒げてしまったりしてしまいます。

そして後で

「ちゃんと話を聞いてあげなかった…」

「つまらないことでいらいらしてしまった…」

と反省し、

「やっぱり子育てに専念したほうがいいのではないか…」

と感じてしまうのです。

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手間のかかる時期は意外と短い

でも、こんな風に密に接しているのはほんの短い間です。

我が家の三男はかなりの甘えん坊ですが、それでも小学校に入ってからは母親の出番はずいぶん減ってきました。

中学に入れば、朝は部活の朝練で6時ごろには出かけてしまいますし、夜は部活をして帰ってくるのはもう8時過ぎなんてことも珍しくないのですから、もう、手間と時間のかかった24時間営業の母親業は開店休業状態になります。

効率的に、朝と夕方に家事をすれば、残りは三者面談や塾の進路指導などの時以外は余裕があります。

大きくなった子はすっかり強くなって病気もしなくなっていますから、仕事をするのに障害になっていたものはなくなるのです。

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こうして母親は仕事に復帰したくなる

・保育園に入れなかったから

・育児と仕事の両立に悩んだから

などの理由で離職し女性のうち、ある程度の割合で、子どもが1歳から13歳までの12年間の間のどこかで、仕事に復帰したいと考えるようになる時期が来るのではないかと思います。

 

冒頭の『ガイアの夜明け』に出ていた女性もそうやって復職を考えるのですが、一般の企業の仕事の場合、長期間離れていると再就職は難しかったのです。実際に就職活動もうまくいかず、自信を失いかけていました。

せっかく志を持ってもう一度働く意思があるのにと胸が痛くなります。

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保育士の復職事情

その点、保育士の場合はちょっと違います。

ママとしてのスキルや葛藤は、そのまま保育士としてのスキルに直結しています。病児保育をしている会社などでは、保育士の経験と同じくらい、もしくはそれ以上に子育て経験を重視している園もあるくらいです。

その上、職場を離れたことで、もっと社会を知ることができたように感じます。また子育てをすることで予測不可能なことに対応しているうちに対応力を見つけています。

 

そんなスキルアップして、パワーアップしたママたちが、たくさん保育の現場に帰ってきてくれるといいなと思います。

 

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著者:現役保育士 神奈川県 40代 女性

 

※『私、保育士辞めたい。』は、すべての記事が保育士経験者や、現役の保育士によって書かれています。実体験を元にした、保育の現場の声が、一人でも多くの方にお届けできればと願っております。