保育士の給料だけじゃムリ!先生たちがやっている“副業”大公開
給料が少ない保育士が困るのは、同年代の異業種の人と過ごす時。
会社員の年収を聞いて「え……!保育士と全然違う!」とショックを受ける人もいます。
月収の差はそこまでなくても、ボーナスの額が全然違うという場合が多いです。
保育士は、ちょっとリッチな外食をしたり、ブランド物の服や化粧品を買う時も値段を気にしてしまいますよね。生活費との兼ね合いも考えて、自分の遊ぶお金を捻出しなければいけないという現実があります。
しかし、そんな生活が2年も3年も続いたらどうでしょう?
私、ずっとこのままでもいいのかな……?と疑問を持ち始めるはずです。
保育士の手取りだけでは十分な暮らしができない!映画もショッピングも満足に楽しめない!と思った保育士たちは、実は副業を始めるケースが多いんです。実際、60%近い保育士が過去に副業を経験しています。
今回は、保育士たちがやっている副業についてご紹介します。
保育士とのダブルワークがしやすい副業
副業にも色々な種類があります。基本的には在宅でもできるものを選ぶ人が多いでしょう。しかし、家以外で行う仕事のほうが手っ取り早く稼げるというのも事実。
自分にぴったりの副業は、一体どんな仕事でしょうか?
◆ライター
クラウドソーシングのサイトが充実してきた近年。こちらは筆者も保育士とのダブルワークで数年間続けました。基本的に在宅でできるし、隙間時間を有効利用できるので効率良く稼ぎたい人向けです。保育園から帰ってきて、どこかに足を運んで働くのは大変ですからね。
クラウドソーシングのサイトではいくらでも案件が発注されていますが、気をつけなければいけないのが、1案件ごとの単価です。中には、1000文字を100円で書いてほしいという依頼があり、そういったものは「初心者大歓迎」といった煽り文句で募集をしています。保育士の知識と経験を活かせるような案件を積極的にこなしていくと良いでしぃう。毎日2〜5時間ほど執筆作業ができれば、月に3万円〜6万円くらいの収入になります。もちろん、案件によって報酬は違うので、一概には言えません。
◆ベビーシッター
保育士の能力をフル活用できるベビーシッター。現在、一時預かりの事業をするためには自治体に申請をしなければいけません。そのため、以前のように「休みの日だけ個人でベビーシッターをする」というのは難しくなりました。もしくはベビーシッターの派遣会社に登録をして、都合の良い日だけ仕事に出向くという方法もあります。
私の同僚がやっていたのは、知人の子どもを預かるバイトです。ベビーシッター会社を通すと保護者は1時間に3千円前後の代金を支払う必要があります。これは、マージンを取られるからです。
そこで、彼女は子育て中の友人たちに声をかけ、1時間1000円で子どもを預かるバイトを始めました。知り合いだし、保育士資格を持っているのでお母さんたちも安心して預けることができますね。週末に1日だけお預かりをすると、月に3万円〜4万円の収入になります。
◆コンビニ、飲食店
家の近くにコンビニや飲食店がある場合、深夜や早朝だけ働くという選択肢もあります。居酒屋であれば朝の5時くらいまで営業している店舗もあります。
しかし、保育園が終わった後に販売・接客の仕事をするのはなかなか体力がいることなので、毎日ではなく週に1〜2回の頻度で行うことをおすすめします。また、あまりにも職場から近いところで働くと、保護者や園児にばったり遭遇してしまう可能性もあるので注意が必要です。
週に2回程度、1日数時間働くと月に5万円〜7万円の収入になります。
◆水商売
保育士とのダブルワークで多いのがこちら。水商売は、短時間の労働で高収入を得られるため、時間がない保育士には人気の副業です。また、働き手が欲しい時間が夜であるため、昼間は保育園で仕事をして、夜はお店で働くというワークスタイルを作りやすいのです。しかし、職場には絶対に秘密にしなければいけません。職場の沿線のお店で働くと、園児のお父さんがお店にやってきて……というハプニングも起こり得るので、注意する必要があります。もしも働き先を選ぶのであれば、
・保育園の最寄駅とは違う沿線
・自宅からも職場からも1時間以上離れている場所
を選んだほうが賢明です。しかし、あまりにも通勤時間がかかってしまうと、ダブルワークの負担が大きくなり続けるのが難しくなってしまいます。
男性のお客さんを相手にするので、ストレスもそれなりにあり、リスクもあります。しかし、日常的に人と会話をしている保育士のスキルを水商売で活かすこともできます。
水商売の職種によってお給料は変わってきますが、週に1回のペースで働けば、月に10万円以上の収入を得ることも可能です。くれぐれも、リスクを認識した上で働きましょう。
◆大学の非常勤職員
もしも副業を保育園側にも申告しておきたい!と考えているのであれば、こちらの仕事はおすすめです。しかし、タイミングよく条件に合った求人が転がっていることは稀です。得策としては、出身大学のゼミの教授と定期的にやり取りをしておくことで、求人があったときに大学側から声をかけてもらえる可能性が高まります。
仕事内容は、実習指導室の手伝いや、教授の補佐など。信頼できる人に頼みたいと考えている教授が多いので、やはり母校で働くことをおすすめします。
週末だけ大学で働いている、と勤め先の保育園に伝えれば「勉強熱心なのね」と思われるだけで、悪い印象を持たれる可能性は低いです。保育士がやりやすい、クリーンな副業と言えるでしょう。
週に1日働くと、月に2万円〜3万円の収入になります。あまり大きな金額ではありませんが、「大学で仕事をした」という肩書きは、経歴を書く上でも強みになるでしょう。
副業をする上で大変なこと
日中は保育園で働いて、夜は違う仕事……。休む間もなく働き通しでは、体力にも限界が来るはずです。実際に副業をした人は、どんな悩みを抱えていたのでしょうか?
◆睡眠時間が足りない
夜に副業をしていると、必然的に睡眠時間が削られてしまします。次の日は早番で朝7時に出勤となると、辛いですよね。睡眠不足でボーっとしながら保育を行うことも、非常に危険です。
副業をする時は、自分がしっかりと「休む時間」も考えて行うようにしましょう。
◆長く続かない
特に在宅ワークの場合、仕事をするタイミングも量も自分で決めることができます。フルタイムで働いた後に「よし、働くぞ!」と再び気合いを入れてお仕事をすることは、なかなか簡単なことではありません。よって、短期間で副業を辞めてしまうケースも多いのです。
そのことを考えると、最初から「1ヶ月だけ」など短期間のつもりで副業をするのもアリかもしれません。運動会や遠足など、行事が重なって忙しい時期は無理をして副業をせず、余裕がある時期を選んで働く方法も考えてみましょう。
◆本業に迷惑をかけてしまった
居酒屋で朝の5時まで働いて、家に帰ってから仮眠をとり、8時から出勤……のはずが、つい寝坊してしまった!というトラブルが起こる可能性があります。また、職種によっては保護者に知られた時に園のイメージダウンにも繋がってしまいます。
あくまでも、本業が優先であることをお忘れなく。本業に迷惑がかかる副業であれば、見直したほうが良いかもしれません。
◆体を壊した
働きすぎて体を壊す人はとても多いです。保育士の仕事だけでもきついのに、さらに別の仕事も……となれば、1日の体力のキャパシティを超えてしまうのが当たり前です。
保育士は健康第一。副業のやりすぎて体を壊してしまった、なんて勤務先の保育園には言えませんよね。体を壊すと「自業自得」と言われてしまうところが、副業をしている保育士の悲しいところです。
自分で自分の健康を支える意識を持ちましょう。
副業ってしてもいいの?
保育士が副業を始める上でいちばん悩ましいのは「そもそも、副業ってやってもいいの?」という点ではないでしょうか?
はっきり申し上げましょう。
公立の保育園に勤めている保育士さんは副業はできません。
公立の保育士は公務員であるため、法律によってダブルワークが禁止されているのです。
それならば、民間の保育園に勤めている保育士は……?
これは、保育園ごとに定められている就業規則を確認してみてください。保育園によっては、副業を禁止しているところもあります。その場合、副業をしていることがバレてしまうと解雇される危険性があります。本業を失わないためにも、危ない橋は渡らないほうが良いでしょう。
就業規則で特に規定されていない場合でも、収入額によっては確定申告の際に副業していることが明るみになってしまう可能性があります。また、副業による収入が年間で20万円を超える場合は、確定申告をする必要があります。
就業規則で禁止されていない場合でも、経営者に相談しておけば何も心配せずに副業を行うことができるでしょう。
お金をとるか、健康をとるか
手取りが少ないために始めた副業。しかし、副業のせいで体を壊してしまったり本業がおろそかになってしまったのでは本末転倒です。
副業を行うのであれば、自分にとって無理のないペースと仕事内容を選ぶことが大切です。そして、職場で禁止されているのにリスクを背負ってまで副業をする必要はないかもしれませんね…。
では、お金を諦めるべきかと言うと、そういうわけではありません。
試しに民間保育園の求人を探してみると、意外と今よりも条件の良い職場はたくさんあるのです。しかし、お給料が高いということは、残業も持ち帰り仕事もたくさんあるのでは……!?と心配になりますよね。
そんな時は、信頼できる転職サイトに相談すると、自分が提示した条件に合わせて、職場環境の良い保育園をいくつかピックアップして紹介してもらえます。副業で辛い思いをしている方は、他の保育園への転職も視野に入れてみると解決策が見えてくるかもしれませんよ。
著者:東京都在住 20代後半 女性 元保育士
参考サイト:副業しなくてもいい月収25万以上の保育園を探してみた