保育士が知っておきたい、リトミックの指導方法や必要なスキルって?
現代のお母さんたちは、色んな事に興味があります。
子どもが健康でスクスクと育つことも大切ですが、情緒豊かに育ってほしいと願う保護者も少なくありません。
そこで、様々な保育施設などではリトミックを取り入れていたりもします。
でも、そもそもリトミックってどんなことをするかご存知ですか?
今回はリトミックのメリットや指導方法、必要なスキルについてもご紹介します。
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著者:きょう /岡山県/30代後半女性/保育士歴9年
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そもそもリトミックって何?
リトミックとは音楽に合わせて教育を行う「音楽教育」です。
この教育方法を提唱したのはスイスの作曲家である、エミール・ジャック・ダルクローズという人で、「ダルクローズ音楽教育法」と言われることもあります。
このリトミックの最大の特徴は、子どもが自分から感じて音楽を学んでいく、というところにあります。
演奏には音楽の背景を感じ取る能力も必要になってきます。このため、幼少期は楽器の技術を磨くのではなく、子どもの内面に働きかける教育法が必要なんですね。
リトミックは子どもの素直な感情に合わせて音楽を奏で、それを聞いた時の喜びや体を一緒に動かすことで新たな心の動きを導き出します。
そこから徐々に音楽の旋律や作曲への喜びに繋げていくというのが最終的な目標にあるんですね。
大人になってしまうとなかなか自分の感情を素直に表現できません。なので、幼少期にこそこのリトミックは効果的であり、この時期にしか学べないものがたくさんあるんです。
リトミックの基本的な流れ
リトミックはもちろん0歳児からも始めることができます。
具体的にどんなことをするのかというと
1.曲に合わせて手遊び
2.曲に合わせて体を動かす
3.楽器を自由に鳴らす
といった流れで進んでいきます。
難しいことはほとんどなく、ピアノさえあればいつでもどこでもリトミックができます。
もちろん、音源を使ってもいいのですが、子どもの状態に合わせて臨機応変に対応するということを考えると、ピアノが利用しやすいですね。
基本的な流れはこうですが、保育園で子どもたちに伝えていくためのに、保育士はどうすればいいのかご紹介します。
保育園でのリトミックの進め方
まずは一番大事なこととして、「子どもはどうやったら楽しむことができるか?」を考えてプログラムを組みます。
導入に音楽を流して子どもの意識を向け、そしてそれから派生していくリズム遊び、と進めていくのです。
リトミックは繰り返し行うことで効果を発揮します。
なので、月に1回ではあまり効果はありませんね。全くリトミックをやったことのないクラスの指導に入るのなら、毎日決まった音楽を流し子どもたちの中に入り込むまで続ける必要があります。
なぜ、最初の導入で同じ音楽を流すのかというと、その音楽が子どもたちへの合図になるからです。
繰り返し行うことで子どもたちも「あ、またあの楽しい時間が始まる!」と気付けます。そうなると自然と体が動くようになりますし、子どもたちの表情も生き生きとすることになるでしょう。
この時の音楽はピアノでなくても構いません。
例えば、前の活動とのメリハリをつけるために、お片づけをしながら何か音楽を流してもいいですね。そうなると整理整頓ができると共に子どもたちの気持ちも切り換えることができます。
導入が済んだら今度は本題になります。
この時はピアノなどの楽器で行いましょう。ピアノが弾けないという保育士さんでも、ギターを使ったりする保育士さんもいます。楽器であれば何でもいいのです。
例えば、あなた自身の歌とタンバリンなどでもリトミックの指導をする方法はいくらでもあります。
ここで大切なのは楽器がきちんと弾けるかということではなく、子どもと一緒にいかに音楽を楽しめるか?ということです。
リトミック中は同じ曲を何度も弾きますが、この時にテンポを「ゆっくり・普通・速い」などと変えるのが楽しむポイントです。
他にも、音階を変えてみたりできるのならメロディを低い音で伴奏を高い音でなんていうアレンジもいいですね。
しかし間違えてはいけないのは、いつも元気いっぱいの音楽ばかりでは子どもは飽きてしまう、ということです。いつも飛び跳ねるような音楽ばかりでは面白くありませんよね。
そこで「ちょっと静かに歩いてみるような音楽」や「ちょっと怖い感じ」「ちょっと怒った感じ」といったバリエーション豊富な曲を用意します。
ここでは、もちろん歌詞のある曲を使っても問題ありません。ストーリー性のある音楽なら登場人物の感情に注意して演奏するようにしてみましょう。
そうすることで「あ、なんだか悲しそう」「楽しい!!」「嫌な気持ちになったんだね。」など子どもたちは感じとってくれますよ。
リトミックで求められるスキルって?資格はいる?
子どもの発達に寄り添うリトミック指導ですので、何か資格がないとできないんじゃないか?と不安に思われる方もいるかもしれません。
ですが現在、リトミックを教えるために必須となる資格はないんです。
細かいプログラムが設定されているわけでもなく、絶対こうしないといけない!というルールもないのです。
なので、保育士として働き始めてすぐにリトミック指導をすることも可能です。
ただ、スキルとしては何かしらの楽器の演奏ができる必要がありますね。音楽がならないとリトミックは完成しませんのでやはりどうしても必要です。
リトミックでは多くの場合、「演奏する人」と、「主になって子どもたちを導いていく人」の2人で行うことになるかと思います。
主の方の人になれば演奏は必要ないんじゃないかと思うかもしれませんが、そんなことはありません。主の方の人も、必要があれば楽器の演奏を行う場面も出てきます。
子どもの状態に合わせてリトミックは進んで行きますので、指導方法は千差万別です。
また、相手の人がお休みした時などにあなただけではリトミックができない、という状況も困りますよね。
リトミックはやはり音楽教育なので、何かしらの楽器は演奏したいものです。
もちろんプロ並みに上手くなる必要はありません。楽譜が読めて、しっかり弾くことができればそれでOKですよ。
まとめ
いかがでしたか?
今回は保育現場で知っておきたいリトミックについてご紹介しました。
リトミックが一体何を目的にしているのかというと、子どもたちに
・集中力
・表現力
・リズム感
というものを身につけてもらうことが大きな目標です。
実際にリトミックを行ってこの力がついたと実感する人は多いんですよ。
子どもたちの感情を豊かに育んで行くためにも、楽しくて何度もやりたい!と思えるリトミックを頑張って下さいね。