【保育士辞めたい?】 実際に保育士さんに聞いてみたら..
『保育園落ちた日本死ね』の人が年間所得960万以上のとんでもないリッチなご家庭だったと判明して、流れが変わったな、と感じるOutreachと申します。
所得で960万↑という事は、各種控除をする前の『収入』は確実に1200万円以上。『年収960以上だった』という誤報が多いですが、もし手当額が本当に数千円なら、『年収1200万円』になるところがポイントです。
ただ、大事なことを見落とさないでください。流行りすたりの感情的な話題はさておき、
日本死ね『じゃないほう』の
保育士の状況に変わりはないということ
を。
話のポイントは、
『補助金目当て』のブラック保育園オーナーが、国策をいまかいまかと待ち構えている
↓
政府も慎重にならざるを得ない
↓
資産運用(資金管理)の受け皿として保育園を悪用するわるい大人 vs. 国の戦争
↓
保育士さんの収入UPは足踏み
↓
どっちに転んでも『中抜き』の犠牲になり続ける現場の保育士
といういけてない現状&未来予想図が透けて見える事です。
今日は、そんな現代日本の貧困問題のど真ん中から、つい最近避難してきた元保育士さんに、
『実際のところ、どうなの?』と噂の真相っぽく聞いてみたところどうなったかと言うと、、、
以下、さらっとお読みください。
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(元保育士:東京都在住 20代後半 女性)
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女の子の憧れの職業と言えば「保育園の先生」
お母さんと離れている間も一緒にいてくれて、楽しい遊びもたくさん知っていて、ピアノも弾ける!私も大きくなったら保育園の先生になりたいなあ。
そんな純粋な思いを抱いて保育士を目指した人も多いと思います。
しかし残念なことに、保育士の転職率はとても高いのです。私も迷いに迷って、勤めていた保育園を辞め、他の保育現場に転職した一人。
【女の子たちの憧れの職業】が【女性が最も転職したい職業】になってしまう理由とはなんでしょう?私の体験談も交えながら、保育士の転職を決定づける原因を打ち明けたいと思います。
◆1:給料が安すぎる
こちらはニュースでも話題になっているので、知っている方も多いのではないでしょうか?保育士の給料は、同年代のOLさんよりも5~10万円も低いのです。私の場合、私立保育園の正職員5年目で手取り15万円でした。これでも首都圏で働いていたので、「マシなほう」です。地方の私立保育園では、手取り13万円程度しか貰っていない正職員の保育士がたくさんいます。
これなら、飲食店でフルタイムのバイトをしたほうが稼げる!って思ってしまいます……。
◆2:責任が重い
保育士の仕事は子どもの命を預かること。とても責任が重い仕事です。しかも1人ではなく、複数の命を預かります。たとえばお散歩に出かける時、10名以上の子どもたちを車から守って誘導しなければいけません。5秒目を離した隙に、子どもたちは怪我をし、最悪の場合は死にいたる可能性だってあります。
一瞬も気を抜くことができず、常に緊張状態でいることは大きなストレスになります。何より給料に見合っていません。
◆3:人間関係が煩わしい
男性保育士が増えてきたとは言え、保育士は基本的には女の世界。人間関係がクリーンな職場って稀だと思います。私が働いた保育園でも、過酷な女の戦いが繰り広げられ、巻き込まれているうちに疲れてしまいました。
保育は感情で行う仕事ですから、どうしても保育士は「公私混同」をしやすいのですよね。仕事のことで後輩を叱責しているのに、いつの間にか感情論になり、終いには人格否定をしてしまったり。
自分の保育を否定されること=自分の感性を否定される
になりやすいのも問題です。
◆4:サービス残業が当たり前
一般企業に勤めている人たちもある程度は残業をしているようですが、保育士の残業スタイルは一般企業の人々を震撼させるほど過酷なもの。
私の場合、朝7時に早番で出勤し、定時の16時以降は明日の仕事の準備、さらにその後は夜22時近くまで先輩の手伝いをしたり行事の準備をしたり。1日の労働時間15時間以上、休憩なし、残業手当なし。月に換算すると100時間以上の残業をしていましたし、休日の持ち帰り仕事も当たり前でした。
仕事をするために生きているのか、生きるために仕事をしているのか分からなかったですね……(苦笑)
◆5:保護者からの期待が重い
昔に比べ、子どもを大切に大切に育てている保護者が多いようです。それは良いことでもあるのですが、保育士に対する期待がどうしても大きくなりますよね。
「うちの子はまだ喋らないのですが、保育園でもっと語りかけてくれますか?」
「1日1度はお散歩に連れて行ってもらえますか?」
「少しでも服が汚れたら可哀想なのですぐに着替えさせてあげてくださいね」
複数の保護者から、こんなお願いを聞きます。しかし、正直すべての期待に応えることは無理です!「できるだけ頑張りますが、必ずできるとは約束できません」というニュアンスでやんわりと断るのもまた大変なのです……。
◆6:ものすごく体力を使う
子どもを2人抱っこしたまま書類仕事をしたり、外遊びでは子どもたちと思い切りおいかけっこ。子どもたちと触れ合える時間は楽しいのですが、これが四六時中続くと、体を壊す人も多いです。
体を動かしたら、その分だけ休養も必要です。しかし、残業続きの保育士はゆっくりと休んでいる時間がありません。疲れがたまりすぎて体調を崩し、子どもたちの午睡時間に近所の診療所へ点滴をしに行ったこともあります。もちろんその後は、保育室に戻りました……。よく生きてたな、と思います。
◆7:休みが取りづらい
有給を使いたい、と言うと上司にキツく睨まれることもありました。この業界では、体調不良を除いて平日に休むことは基本的にタブー。そのため有給を消化せずに1年が終わるのが暗黙の了解でした。
また、土曜出勤の分の振り替え休日や、早番で他の職員より早く帰る時も「申し訳ありません」と頭を下げなければいけないような雰囲気があります。正当な理由なのに、どうして!?と思いますよね。しかし、これが保育士の「当たり前」なのです。
以上、私が保育士を辞めた理由についてお話しました。
私が勤めていたような過酷な保育園に就職してしまった方は、他の保育園を探してみるのもアリかもしれません。その際は、労働条件や職員の人間関係をよーくチェックして、自分に合った職場かどうかを見極めると良いと思います。
参考:保育園の辞め方を専門のアドバイザーに聞いてみた
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→【まとめ】
発信者が裕福だったという壮絶な釣りに化けた『保育園落ちた日本死ね』、の話題と違って、
『ニュースで見かけた話』と『実際聞いてみた話』に差がない事にお気づき頂けましたでしょうか?
なので、政党関係なく忘れないでください。
手を差し伸べなきゃいけない『保育士のほう』の問題を。
何日かに分けて、ちょっと思う事を更新していきます。
それではまたあした。
せんせいさようならっ。
みなさん、さようならっ。
Outreachでした