保育士辞めたいの私だ

Suicide Outreach ~保育園という『戦場』で傷つき、生き残り、うつや悩みで辞めたい現役保育士を救済するブログ~

保育士の年収は40年前の私実家の年収以下だった・・・

今日、母と話をしていたら、私が子供のころの実家の年収の話になりまして、そのころ(=40年前)の年収が300万円くらいだったと言っていました。

 

あれ?

 

現在の保育士の年収200万円台も珍しくないんですよね・・・

40年前よりも低いって・・・

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保育士の年収実際のところはどうなんでしょうか。

2016年の調べでは全国平均で323.3万円(平均年齢35歳)全産業平均の489.2万円(平均年齢42.3歳)に比べて、明らかに「安い」ですね。

 

それでも、これは正職員の話。

 

非常勤の保育士の待遇はもっと低い

非常勤保育士の待遇改善については、さほど論議されていませんが、これも深刻なんです。

非常勤保育士の場合、時給ベースの賃金となり、フルタイムで勤務しても年収は200万~300万円といいます。

でも、私の場合、額面で160万円でした。

「同一労働同一賃金」と政府が打ち出している方針から大きくかけ離れています。

ここから厚生年金保険料・年金・雇用保険・所得税・住民税などをひかれた手取り収入は、何と年間130万円。

これはきわめて労働意欲を失います。

 

しかも、保育士の感じている職場への改善希望は何かというと

  • 給与を上げてほしい
  • 職員数を増やしてほしい
  • 事務や雑務を軽減してほしい
  • 有給休暇が取れるようにしてほしい
  • 休憩時間を取れるようにしてほしい
  • 残業をつけてほしい

と続きます。

 

年収の低さだけでなく、労働条件の過酷さも、現役保育士が職場から離れていき、潜在保育士の職場復帰の妨げになっているのです。

育児をしていると、どうしても常勤で働けないという時期もあります。そういった「非常勤で働こう」というときに、保育士という選択肢が消えてしまうんですね。

 

保育士続ける?辞める?

では、今保育士を続けている人が続ける、続けられる理由はなんでしょう。

やっぱり子供が好きだからというのがダントツ1位です。

子どもたちの笑顔を見ていると、パワーと元気をもらえるという思いは保育士であれば感じることが多いでしょう。

こどもたちの成長を見続けていくことが出来、卒園の時にはその成長を感じることができるので、やりがいがあると言うのも大きな理由です。

 

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このような『子どもが好きパワー』が保育士を続ける原動力になっていると言う人は多いでしょう。

この『子どもが好きパワー』が『辞めたいと言う気持ち』よりも上回っていると、お給料が少なくても、待遇が悪くても頑張れるようです。

 

でもずっと我慢し続けて頑張り続けるのは難しいです。

ひとたび、『辞めたい気持ち』が上回ってしまうと、今まで我慢していたことが噴き出し、『もう保育士続けられない!』という気持ちになってしまうようです。

 

保育士の退職がとまらない

ある保育園で、

昨年は3人の退職者がいました。2人は別の業種へ、もう一人は家庭に入りました。

今年も3人の退職者がいました。2人は別業種へ、1人はしばらく何もしないと言っていました。

 

せっかく子どもが好きで、勉強して保育士になったのに保育園に残る保育士が1人もいない・・・。

こういう園は、残念ですが少なくありません。

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希望者が殺到する保育園も

でも、働きやすい!年収アップ!保育士のために頑張ってくれる保育園だっていっぱいあるんですよ。

 

そんな保育園は、先ほどの保育園とは対極的です。めったに募集がありませんし、募集があっても1人の枠に10人以上が殺到する、ということもめずらしくありません。大好きな保育士という仕事をあきらめるんじゃなくて、保育士の求人情報を探してみてください。最近は転職を応援してくれる会社もたくさんあります。新しい職場に移ることをぜひ考えて、多くの保育士が続けられる仕事になってほしいと思っています。何より怖いのは、『自分が頑張らなきゃ』『この子たちのために』という誠実な思いから、自分自身が壊れてしまうこと。プレッシャーやストレスから解放される方法は、帰宅したあとの部屋でスマホやテレビを見る事ではありません。

自分に優しく、いたわって、許してあげる事です。

『もう、がんばらなくていいよ。』

園児たちにしているように、自分の頭もまいにちヾ(・ω・*)なでなで、してあげましょうね^^ 

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(著者:40代保育士 神奈川県在住)

 

※『私、保育士辞めたい。』は、すべての記事が保育士経験者や、現役の保育士によって書かれています。実体験を元にした、保育の現場の声が、一人でも多くの方にお届けできればと願っております。