「保育士に学ぶ」 いじめ実例集
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保育士が心を病んでしまう原因の1つに陰湿ないじめの問題があります……。
私が過去に働いていた保育園で実際に受けたいじめ、そして私の周りで起こっていたいじめについて隠さずにお話しようと思います。
(著者:東京都在住 20代後半 女性)
◆1:先輩保育士に保育を邪魔される
これは、私が新人の頃に先輩から受けたいじめの話です。
先輩は6年目の中堅。人当たりもよく、園長や保護者からも慕われていました。最初は私も先輩の人柄に憧れて、「早くこの人みたいに仕事ができるようになりたい!」と思っていたのですが……
クラスが始まって3ヶ月目の7月頃から、少しずつ先輩の本性が分かってきたんです。
その先輩、自分がいちばんじゃないと許せないタイプだったんです。
よく言えば、仕事に妥協しないというか…。
自分が子どもたちにいちばん好かれていないと、おもしろくないんですよね。私は新人だったので、よくも悪くも子どもたちか「怒らない先生」と好かれていました。しかしそれが先輩の逆鱗に触れ、保育中に陰湿ないじめが始まったんです…。
まず、お集まりの邪魔をされる!!
二人体制で保育をする場合、一人がリーダーになって活動を進行し、もう一人はフォローに入る、というチームワークが保育の基本だと思います。その先輩は、フォローをするどころか、私の保育の邪魔をしてきたんです!
朝のお集まりで手遊びをしていると、後ろのほうで「なにやってるんだろうね〜?ぜんぜん面白くなさそうだね〜」と子どもたちに言うんです。リーダーの先輩の発言は、子どもたちにとっても説得力絶大で、クラスの子たちの私に対する印象が「おもしろくない先生」に変わりつつありました。私に直接、「先生の保育のここがよくないよ」と教えてくれるならいいのですが、子どもたちに「おもしろくないよね」と投げかけるのは、明らかにいじめでしょう……。
他にも、保育中に起こった怪我を全部私のせいにされたことがあります。子どもが怪我をしてしまった時は、誰が近くにいたとしても保育者全体の責任かと思います。しかし、クラス内で起こる怪我はすべて私の環境構成の仕方が悪い、と指摘され、退勤後に長文のメールが送られてきたこともありました。それだけで相当なストレスです……!
さらに、怪我を保護者に説明するのも全部私の仕事。「先生は新人だから、なんでも勉強しなきゃね」と言われては、やるしかありません。おそらく本人は、保護者からの印象ダウンを恐れて私に押し付けていたんでしょうね〜。
この、「新人だから」という常套句を使って、非常識な指導をしたり、本来は先輩がやるはずの仕事を新人に押し付けたり……といういじめの手法は保育士界隈で多いのではないでしょうか?
実はこの先輩とは1年目だけでなく2年目も組むことになり、死ぬかと思いました。結局最後は、他の先輩や園長に真相を伝え、彼女は他の園に異動することになりました。
しかし、何年経ってもあの頃受けたいじめを思い出すと「辛かったなあ」と涙が出てきます。
◆2:30代の新人保育士を鬱病にさせて辞職に追い込む
次にお伝えするのは逆のパターン。
後輩(以下、Y)が一緒に組んでいた先輩(以下、Rさん)をいじめて辞職に追い込んでしまった話です。このいじめたYは、私の同期なんですが……。
ある4月、30代の新人保育士が入職してきました。
このRさんはもともと高校の教師をしていたのですが、自分の子どもが生まれて教師を離職。子どもを育てる楽しさに目覚めて保育士の資格を取得したそうです。そして、園長から教師の経験を認められ、クラスリーダーを任されることになりました。
突然保育園にやってきた未経験のRさんに、プライドが高いYは気分を害したらしく「子どもを育てた経験があるくらいで、保育ができるなんて思わないでくれます?」と自分より年上のRさんに言い放ちました。
以降Yは、Rさんがいかに仕事ができないかを周りに愚痴りまくり、彼女の印象ダウンをはかりました。Rさんは保育経験がなかったため、基本的な仕事を後輩のYに質問するしかなく、そこで必然的に負い目が生まれてしまったようです。
そんな日々が半年以上続き、Rさんは運動会が終わった10月末、鬱病になって休職しました。原因は明らかにYのいじめだったのですが、Yを咎めることができる人は、私を含め誰もいませんでした。次に自分がターゲットにされるのが怖かったからです。
後から聞いた話ですが、Yのいじめがエスカレートした夏頃から、Rさんは頻繁にトイレに行くようになっていたのだとか。体調が悪かったのかもしれないし、逃げ場がトイレしかなかったのかもしれません。
それを見かねたYは、彼女がトイレに行ってから出てくるまでの時間をカウントし、「今日は10分もトイレから出てこなかったんだよ!」と周囲の保育士に言いふらしていました。Yの攻撃性には鳥肌が立ちますよね……。
休職中のRさんは年が明けても保育園には戻ってきませんでした。そして、いつの間にか退職願を出し、園を去ってしまいました。彼女が今、どこで何をしているのかは分かりません。
でも、あの時YにいじめられているRさんを少しでも助けることができたら未来は違っていたかも。そう思うと、自分のふがいなさに腹が立ちます。
自分と関係ないところで起こっているいじめでも、心に傷は残るんですね。
◆3:女同士でも起こる「セクハラ」
セクハラ……と聞くと、会社勤めのOLさんが男性の上司から性的な嫌がらせを受ける……そんなイメージが強いですが、女の職場でも起こるんです!セクハラが!
たとえば、こんなこと。
身に覚えのある方はいませんか??
「先生はまだ結婚しないの?子どもは早く産んだほうがいいわよ」
「若くて可愛いのなんて今のうちよ!30歳過ぎたら可愛さなんて通じないわよ」
「子どもがいないから、分からないわよね〜?」
ここまでストレートじゃなくても、似たような言葉を浴びせられたことはありませんか?女同士のセクハラの見分け方は簡単。
「それを男性が言ったとしたら、問題になるか」を考えることです。
紹介した3つのような言葉を男性の職員があなたに対して言ったとしたら、100%セクハラです。言ってはダメな言葉なんです。
ちなみに私は全部言われた経験があります(笑)その時は「あははは、そうですよね〜」って笑って流してしまいますが、家に帰ってきてから冷静に考えてみると「なんでそんなことを言われなきゃいけないの!?」って思っていました。
結婚や出産の話題は、40代以降の女性たちの挨拶のようなものなので、気にしなくてもいいのかもしれませんが……毎日続くとストレスがたまりますよ〜。
他にも、プライベートのことを必要以上に聞かれたり、家族の学歴を聞かれたり。これも立派なハラスメント。いじめです。ICレコーダーで録音すれば、訴えられるんじゃないかな?と本気で考えていました。
以上、保育園で本当にあったいじめのエピソードを紹介しました。
保育園で職員同士のいじめが起こる原因は、独特の閉鎖的な雰囲気や、女のプライドが摩擦しやすい環境にあるのかもしれませんね。
他人の性格はなかなか変わりません。いじめに立ち向かおうとして、いじめられている側が奮闘しても、燃え尽きてしまう可能性があります。あまりにも目に余るいじめが横行している場合、ストレスを溜め込みすぎる前に働く場所を変えるなどして自分を守るのがいいと思います。
子どもたちに関われる素敵なお仕事ですから、楽しい気持ちで働きたいですもの。
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【対策】>>>悪質ないじめにあったら、いじめが少ない園の見つけ方をアドバイザーに聞いてみるのが基本です!環境を変えて、泥沼化した人間関係をリセットする事が、長期的に考えて、あなたの最大の利益につながります。