保育士辞めたいの私だ

Suicide Outreach ~保育園という『戦場』で傷つき、生き残り、うつや悩みで辞めたい現役保育士を救済するブログ~

保育士が幼稚園教諭免許を更新する必要がある?~講座を申し込むまで~

現在保育士として働いている私ですが、短大時代に幼稚園教諭の免許を取っています。

平成12年以降は多くの学校で幼稚園教諭・保育士両方の資格を取ることができるようになっているようです。

ですから、私のころよりも現在は幼保両方の資格を持っている方も多いと思われます。

その幼稚園教諭資格、ほんとうにつかえますか?

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使ってない「幼稚園教諭資格」、更新するべき?

少し前に、教員の研鑽のためという名目で、更新制度というのが導入されました。

そして、この更新制度、なんだか迷走気味ですが、 2016年3月現在だとこんな感じになっています。

現在教諭として働いていない人は必ずしも更新の必要はありませんが、 資格を継続して使用するためには、更新講習を受講する必要があります。

 

参考:教員免許更新制 現在教員として勤務していない方へ(文部科学省)

 

現在『保育士』として働いている私は、『教諭』として働いていませんから、更新は必須ではなさそうです。 でもこのまま、更新しなくていいんだろうか・・・

 

現在、幼稚園教諭と保育士は資格としてもごちゃごちゃしていますし、実際の仕事としても同じような部分も多く混乱しています。 さらに混乱することに『子ども園』というどっちもありみたいなところもあり、どうしたらいいのかわからない・・・

 

というわけで母校に電話して確認してみました。

幼稚園教諭の資格は「更新しておいたほうがいい」

現在は幼稚園教諭の資格はつかっていないけど更新したほうがいいのか、と聞いたところ、

「せっかく取得した幼稚園教諭の資格を使用する可能性が少しでもあるのでしたら、多少費用がかかりますが、更新講習を受けて継続しておいた方がいいと思います。」

ということでした。

 

とりあえず、勧められたことですし、講習を受けることに決めてみました。

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幼稚園教諭免許の更新講習とは

この講習を受講できる資格のある人、というのが定められています。

受講対象者

更新講習の講習を受講できるのは、普通免許状又は特別免許状を持つ以下の人です。

  • 校長、副校長、教頭を含む。ただし、指導改善研修中の者を除く現職教員
  • 実習助手、寄宿舎指導員、学校栄養職員、養護職員
  • 教育長、指導主事、社会教育主事、その他教育委員会において学校教育又は社会教育に関する指導等を行う者 また、それに準ずる者として免許管理者が定める者
  • 文部科学大臣が指定した専修学校の高等課程の教員
  • 教員採用内定者
  • 教育委員会や学校法人などが作成した臨時任用
  • 非常勤教員リストに登載されている者
  • 過去に教員として勤務した経験のある者
  • 認定こども園で勤務する保育士
  • 認可保育所で勤務する保育士
  • 幼稚園を設置する者が設置する認可外保育施設で勤務している保育士

受講義務者が、免許状更新講習の修了確認を受けなかった場合、免許状が失効し、免許状を免許管理者に返納する必要があります。

受講義務者以外の者の場合は、免許状更新講習の修了確認の義務が課されていないため、修了確認期限を過ぎても免許状は失効しませんが、そのままでは教壇に立つことはできません。修了確認期限を過ぎた後に教壇に立つためには、更新講習を受講・修了し、免許管理者から免許状更新講習の修了確認を受けることが必要となります。

なので、今、該当する場所で働いていないなどで、更新講習の受講対象者でないひとは、復職する前に受講してからでないと就業できないと言うのが注意になります。

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私(保育士)の場合の更新講習は

とりあえず私の場合『保育士』なので更新講習を受けることができます。 というわけで、検索開始。

文科省のHP ・居住県のHP を見てもなんだかわけがわかりません。 わかんない時は聞いた方が早い!ということで、結局免許を出している県の教育委員会に電話してみました。 整理した結果以下のことがわかりました。

  • 更新講習は生年月日で設定されている該当年に2年間受講する期間がある。
  • 私の場合は、2017年3月31日までに更新しないと、免許が使えなくなる。
  • 更新手続きは、2か月前までに講習を修了し、講習を受けた証明書と所定の書類等を提出し手続きを終わらせる必要がある。

そして、幼稚園教諭免許の更新講習について、自分で検索して、申し込まなければならないことがわかりました。

そして、なんということでしょう。 私の母校では更新講習をやっていなかったんです。

残念・・・

更新研修の内容も変更があるので注意

本来は、県の教育委員会のホームページでいろんなことが分かるはずなのですが、この更新研修を検討した3月は一部が停止中でした。

なぜかと言うと

平成27年度まで、必修領域12時間以上、選択領域18時間以上

となっていたのですが、

平成28年度から、必修領域6時間以上、選択必修領域6時間以上、選択領域18時間以上

と変更になりました。

 

必修領域を2つにわけて必修領域と選択必修領域の6時間ずつになったんですが、 この変更があるために、いろんなシステムが遅れているご様子。

スピーディーに受けるなら民間がおすすめ

その点、民間は対応が早いですね。

地元で通いやすい大学で、幼稚園教諭や小学校教諭の免許を出している学校で、 主だった大学にアクセスすると、すでに28年度の講座について情報が出ています。 実際の申し込みは4月以降になっていましたが、情報が出ていると、準備もしやすいです。

 

さらに、領域に分けて募集がかかっていますので、確認して

平成28年度から:必修領域6時間以上、選択必修領域6時間以上、選択領域18時間以上

になるように自分で選ぶ必要があります。

受講時間がない人や地方の人はオンライン受講が便利そう

eラーニングもあるみたいです。 受講できる大学が遠隔地にしかない場合や仕事で時間が取れない時にはよさそうですね。

参考:eラーニング教員免許免許状更新講習推進機構

 

私の場合は、丁度夏休みは休みの予定なので、久しぶりに大学生気分を味わいに、通学の講習を選ぶことにしました。

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更新講習の申し込み手続き

さて、こうしてやっとやり方が分かったところで、手続きの方法です。

更新講習に必要な費用は

実際いくつかの大学で見たところ、更新講習は一日6000円の所が多いようです。

これを5日間受けることになりますので、受講料として約3万円かかります。

講座の対象職種に要注意

この受講講座を決めるのが大変でした。

各学校で行っている講座には、対象職種が決まっています。 これは『教諭』『養護教諭』 『栄養教諭』の3種類があります。 これが合致していない講座を受講しても、資格更新必要な講座を取得したことになりません。

一方、ほぼどの講座にも主な受講対象者・対象職種が書いてあります。

今回、これで非常に苦労しました。 幼稚園教諭が主な受講者になっている講座は少ないのです。 特に通信教育ではほぼないといっていい状況です。

早めの準備・予約が必要

今回私が調べた大学の更新講習は5月ごろから受け付けを始めていたのですが、学校によって差があります。 さらに、人気の講座は半日で埋まってしまう物もありました。

実際に、当初私が行こうと思っていた大学の講座は結局1つも取ることができませんでした。 仕事をしながら更新講習の申し込みをするのですから、なかなか決まった時間に申し込みができません。

ただ、キャンセルも出るようで、一度は満員で受けられなかった講座に空きが出たので、今回講座を受けることができました。

結果的には比較的近い学校で、必須・選択必須・選択の1科目を 電車で2時間ほどかかる学校で選択の2科目を取得することにしました。

でも実は、すべての講座を決めた後で、主な受講対象者に書かれていなくても 教諭の講座であれば幼稚園教諭更新に必要な講座を受講したことになると言うことが分かったのです。

もっと早くに、わかっていれば・・・

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ねらい目の科目や学校は

実は、科学や数学の講座などには、比較的空きがありました。

また、全国でテストを受験することができる学校が展開されている放送大学でも、学校の教諭向けの講座はたくさんありました。

参考:教員免許更新講習(放送大学)

 

これなら、受講できる講座の幅が広がりますね。 普段なら、数学や科学などは敬遠しがちですが、身近なことを扱っている講座も多く、意外と楽しそうでした。

こんな講座をたくさん受けられたらいいのに、と感じました。

更新講習で感じた「矛盾」

パートタイム勤務の保育士である私の場合、研修を受けるチャンスがありません。 今回の教諭免許更新講習も、受講資格がなければ受講できません。 今は働いていないけど、いずれ働きたいと思っているから更新したいと思っても受けたくても受けられないのです。 これは困りますね。

ただ、更新講習を受けないとなくなってしまうわけではなく、更新講習を受けるまで使えなくなるだけだと言っていました。

 

でも、実際、これだけ混み合っている更新講習ですから、更新年でない時に本当に受講できるのか不安になります。

教諭資格を持つもののスキルアップを目的としたはずなのに、一番苦労するのは「受講する講座を見つけること」言う矛盾・・・

 

もう少し改善されることを切に願っています・・・

 

 

著者:40代保育士 神奈川県在住

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※『私、保育士辞めたい。』は、すべての記事が保育士経験者や、現役の保育士によって書かれています。実体験を元にした、保育の現場の声が、一人でも多くの方にお届けできればと願っております。