保育士辞めたいの私だ

Suicide Outreach ~保育園という『戦場』で傷つき、生き残り、うつや悩みで辞めたい現役保育士を救済するブログ~

「保育士経験者」が選ぶ、2017年重大ニュース4選【最新版】

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最近、TVやネットを見ると「保育」が絡んだニュースをよく目にします。

私が保育士だったから目につくのか…それとも保育の需要の高まりによってニュースになる出来事が増えたのか…。

とにかく2017年もたくさんの保育関連ニュースがあります。

まだ上半期も終わっていませんが、今回は2017年の重大ニュースを4つご紹介したいと思います。

 

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f:id:outreachhoiku:20170526095244j:plain著者:きょう /岡山県/30代後半女性/保育士歴9年

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保育士が欠勤・遅刻で罰金1万円!?無給ボランティアも…

www.sankei.com

保育士にはとてもショッキングなニュースでした。

まず初めに給食の量の少なさに驚き、そしてあれよあれよと芋づる式に「やってはいけないこと」が露呈してきましたね。

「現場の保育士は何やってたんだ!」と怒りを覚える半面、「どうにもできないよな…」という感情が湧きあがってきたのを思い出します。

やはり保育士というのは、園長の決定にはなかなか逆らえないものです。

直接の雇用主でもありますし、やはり保育施設のトップですから。

一般企業で言うと、まずい経営をしている社長に文句を言うのと同じ状況です。

しかも、体調不良などによる欠勤をしても罰金が科せられ、無給でボランティアまでさせられていたのだとしたら、余計に保育士は声を上げることができなかったことでしょう…。

この驚くべき勤務状況は全て契約されていたとのことですから、更に驚きです。

おそらく、一般企業ではあり得ませんよね。

ですが、保育業界には残念ながら「あるかもな…。」と思ってしまいます。

こういった状態が起こりえる背景には、保育園は第三者の目が届きにくいという原因があるんじゃないでしょうか?

そこでもう一つこちらのニュースも注目してみました。

 

「認定子ども園」の保育士が、残業代未払いで訴え

www.kahoku.co.jp

保育士なら残業は当たり前、そして賃金が払われないのも当たり前という風潮の中、残業代未払いを訴えたこの元保育士はすごい勇気だと思います。

現場の保育士でなければ分からない保育園の実態と言うものは存在します。

この認定こども園のパワハラなどは証拠がなく、確かなことは分かりません。

ただ、火のないところに煙は立ちません。

少しの叱責などなら訴訟をおこそうと思うこともないでしょう。

何か、相当追い詰められる原因があったのではないかと考えさせられるニュースですね。

このニュースも先ほどと同じように、第三者の目が届きにくい保育施設独特の環境が引き起こしていると私は思います。

確かに、保育園では年一回の監査があります。

外部の人間がやってきて、経営状態や施設の状況、勤務状況を判断します。

しかし一年に一回、しかも一日で膨大な資料を見るんです。

全ての資料に目を通すこともできなければ、園長先生から十分なヒアリング、ましては現場の保育士との面談は行われないことでしょう。

これでは、現場で働く保育士の実態を完璧に把握するのは難しいですよね。

今回、訴えを起こした保育士が自分のためだけではなく、こういった保育施設の労働環境改善のために立ちあがってくれたのだとしたら…

後に続くべき私たちは何ができるだろう?と深く考えさせられるニュースでした。

 

男性保育士に「女児の着替えさせないで!」 保護者の主張は「男性差別」か

www.j-cast.com

次のニュースはこちらです。

保育士の職場にも年々、男性保育士の数は増えてきています。

女性にはできない子どもとの関わりを担当できる一方で、男性差別による被害というのも増えているのだとか。

中でも、この「男性保育士に娘(女児)の着替えやオムツ交換をさえないでほしい」という保護者からの訴えを、千葉市の市長がツイッタ―に投げかけたことで、大きな波紋を呼んでいるようです。

女児の保護者から「たくさん女性保育士がいる職場で、何も自分の娘のおむつ交換や着替えを男性保育士に頼まなくても良いんじゃないか・・・」という疑問が起きてしまうのは、仕方ないとはいえ残念なことです。

他にも、男性保育士には「プールの引率を辞めてほしい」「身体測定もやめてほしい」といった要望が出ることも珍しくありません。

色々な社会背景が交錯してこうした感情を起こしてしまうのでしょう。

ですが、私はマイナス面ばかりではなく、プラス面をもう少し見てはどうかな?と思うのです。

それはどういうことかというと、いくら男女平等を唱えたとしても、性別というのは埋められない溝のようなものがあります。

男性であるからこそできる保育もあれば、女性だからこそできる保育というのも確かに存在するのです。

なので、保護者からそういった要望が出てしまったのであれば、ここは「女性にしかできない保育なんだ」と理解して役割分担をしてはどうかな?と思います。

保育士に保護者はどうしても「母性」を求めてしまいます。

そこに男性保育士がいるというのは、頼もしい半面、こうしたイメージもついてしまうんですね。

オムツ替えひとつで、保育士の質の全てが決められるわけではありません。

女性保育士にだって「あの先生にはうちの子どもの着替えをさせてほしくない」という要望だって保護者から出る場合もあります。

これは性別ではなくその保育士の態度やコミュニケーションなどによるものです。

保護者から「着替え補助」を拒否されたと言って男性保育士の存在を否定されたわけではありません。

少しずつ保護者との関係を改善していくことが重要です。

ただ、そうは言っても男性保育士はとても難しい勤務状況であることは否めません。

その最たるものが次のニュースです。

 

「結婚は諦めました」と語る、男性保育士の厳しい現状 

news.careerconnection.jp

保育士の給料が低賃金だというのは、最近、ニュースでも大きく取り上げられ、皆さんご存知の事だと思います。

政府も、ようやく積極的に保育士の賃金の底上げを!といくつか対策をとっています。

しかしそれでも、保育士として働くと、月の手取りは16万程度です。

この手取り16万というのは、もしかすると、良い方ではないでしょうか?

公立保育園を除くと、保育園勤務では勤続が何年であっても昇給がほとんどないというのが現状です。

男性保育士が勤務したとしてもこれは同じことで、一般的な男性の年収の半分程度しか貰えない事がほとんどなんです。

しかも昇給がないので、同じ年齢の男性と比べると年齢が上がっていくほどこの差は広がり、結婚の大きな障害になることは多いでしょう。

結婚を諦めるか保育士を諦めるか、男性保育士には大きな選択を迫られます。

ですが、「これだけ働きにくい職場なら最初からならなければよかった」と後悔してしまうのは、本当にもったいないことです。

先ほども書きましたが、女性保育士にはできない保育と言うのが存在します。

女性で足りない部分を男性保育士が補ってくれるのはありがたく、素晴らしいことなんです。

子どもが好きで男性保育士になった人が多いと思いますので、自分の結婚を諦め、自分の子どもを持つことも諦めてしまうのは、とても残念なことですよね。

 

まとめ

 

少し振り返っただけでも、これだけの保育に関するニュースがありました。

今回は私の個人的視点で書いています。

もちろん、これが全てで正しいとも思いません。

保育士経験者から見た、ひとつの意見として読んでいただければ幸いです。

 

※『私、保育士辞めたい。』は、すべての記事が保育士経験者や、現役の保育士によって書かれています。実体験を元にした、保育の現場の声が、一人でも多くの方にお届けできればと願っております。