保育士辞めたいの私だ

Suicide Outreach ~保育園という『戦場』で傷つき、生き残り、うつや悩みで辞めたい現役保育士を救済するブログ~

保育士さんはうつ病が多い?もしかしてと思ったらして欲しい5つのこと

保育士というと、可愛い子ども達に囲まれて楽しそうな職場だと思われがちですが、実際には職員同士や保護者との人間関係、子ども達に怪我をさせられないという責任の重さ、たくさんの行事の準備や練習などさまざまなストレスが多い職業です。

 

しかも、ストレスが多い職場であるにもかかわらず、若手の保育士さんへの教育やメンタルケアはあまり進んでいないのが現状です。また比較的、規模の小さい保育園が多いため、狭いコミュニティの中で相談もできないまま精神的にしんどくなってしまう保育士さんは多くいます。

 

最悪のケースでは、うつ病を発症し保育士を続けられなくなったという場合もあります。保育士の労働環境や保育士不足が問題となっている今、保育士へのメンタルケアは重要な課題といえます。では、もし、自分がうつ病かもしれないと思ったら、何をすればよいのでしょうか。今回は、体調の不調が続くと感じている保育士さんに、まずして欲しいことについてお話ししたいと思います。

保育士さんは要注意?そもそもうつ病とはどんな病気?

  •  うつ病とは?その原因について

うつ病は、いろいろな原因が重なって、感情や気分を司る脳の神経伝達物質がうまく分泌されないことで、心身ともにさまざまな症状が出る精神疾患の一つです。通常の抑うつ気分と違うのは、うつ病の場合は症状が2週間以上続くことが特徴です。

 

人は辛いことやストレスがかかると気持ちが落ち込んだり、不安になったりしますが、健康であれば自分なりに問題を対処することができ、気分の落ち込みが長引くことはありません。ところが、うつ病になると脳内の神経伝達物質がうまく伝わらなくなるため、問題をうまく解決できず抑うつ状態が長引いてしまうのです。

 

原因は心身の過度なストレス以外にも、その人の性格や遺伝的要因、育った環境などさまざまな原因が重なって起こるとされています。うつ病になりやすい性格には、頑張り屋、責任感が強い、融通が効かない、仕事ができるなど比較的、優秀で真面目なタイプに多いと言われています。

 

育った環境による原因とは、しつけが厳しい家庭や家庭内不和、虐待などがあげられ、心身のストレスによる原因には、仕事のストレス以外にも結婚や妊娠、引越しなど通常、喜ばしいと思われる環境の変化も含まれています。他にも、夫婦の不仲や離婚、退職や就職、家族の死亡などがあります。

 

  • うつ病の症状

うつ病の症状には大きく分けて身体的な症状と心理的な症状があります。それぞれについて見ていきましょう。

 

【身体的症状】

  • 眠れない
  • 過度に寝てしまう
  • 食欲がない
  • 過食
  • 体重が落ちる
  • 疲れが取れない
  • 月経不順
  • 性欲の低下
  • 頭痛
  • 肩凝り
  • 胃の痛み
  • 神経痛
  • 動悸、冷汗、息苦しさ
  • 便秘

など

【精神的症状】

  • 抑うつ感
  • 不安
  • イライラする
  • 緊張
  • 焦燥感
  • 悲しい
  • 落ち着かない
  • やる気が出ない
  • 集中力の低下
  • 注意力散漫
  • 今まで興味があったことも興味が持てない
  • テレビや音楽など面白いと思えない

など

これらの症状が2週間以上続く場合は、うつ病の可能性が高いです。早めに医療機関を受診する必要があります。

 

  • うつ病の種類

うつ病の種類には、症状によって分ける分類、重症度よって分ける分類、初発か再発かによって分ける分類、症状の特徴によって分ける分類があります。

 

【症状による分類】

単極性うつ病

うつ症状だけが現れるもの

双極性障害

うつ症状と躁状態の両方が現れるもの

 

【重症度による分類】

軽症

仕事や日常生活は通常どおり送ることができ、周囲も気づかないことが多いです。

中等症

軽症~重症の間で、本人は無理をしている状態です。

重症

うつ病の症状によって日常生活も困難になり、仕事もできない状態です。

 

【初発か再発かによる分類】

初発

初めてうつ病になった場合をいいます。

再発

何度もうつ病を繰り返す状態。うつ病は再発することが多い病気です。

 

【症状の特長による分類】

メランコメリー型うつ病

一般的なうつ病のことをいいます。自分の好きなことや興味のあることにも気分が乗らず、落ち込んでしまう。体重減少や睡眠障害、常に抑うつ感が続くことが特徴です。

非定型うつ病

自分の好きなことや興味があることは問題なくできる。過食傾向、眠りすぎる傾向があります。

季節型うつ病

季節によって症状が出るうつ病。特に多いのは冬季うつ病で、冬になると日照時間が短くなりメラトニンが減少することが原因だといわれています。

産後うつ病

産後、ホルモンの急激な減少によってうつ病を発症するもの。産後4週間以内に発症することが特徴です。

 

  • うつ病の治療

うつ病の治療の基本は、休息と薬物治療法と精神療法の3つです。うつ病はさまざまな原因が重なることで脳が疲弊し、脳内の神経伝達物質がうまく伝わらないことが原因です。そのため、まずは原因となるストレスから離れ休息することが大切で、併行して薬物療法や精神療法を組み合わせて回復を目指します。

 

【休息】

休息は、1週間程度の病欠で対応できる程度から、仕事をいったん休職して自宅療養や入院が必要な場合もあります。どれ位休みが必要かは症状の程度によってさまざまですが、うつ病の方はたいてい真面目で仕事を休めない方が多いので、基本的には医師や職場の上司とよく相談をして、しっかり休むことがまずは大切です。

 

また、休息するときは自分だけの判断で今後のライフプランを決めないことが重要です。うつ病になると、ときに正常な判断ができなくなることがあります。そのため、休職や退職など重要なことは自分1人では決めず、医師や職場の上司と相談しながら決めることが大切です。

 

【薬物療法】

薬物療法は、うつ病の症状の軽減を目的に抗うつ剤が処方されます。ただし、抗うつ剤は即効性のある薬ではなく、効果が現れるまでに1か月くらいかかることがあります。また、効果が現れる前にのどの渇きや吐き気、下痢、便秘など副作用が先に出ることもあります。

 

そのため、不安になったり疑問に思ったりすることもあると思いますが、医師の指示どおりにきちんと服用を続けることが大切です。もし、不安なことや疑問があれば医師に相談し、納得してから飲むようにしましょう。

 

最近の抗うつ剤は副作用があまり出ないものも多いですが、副作用が出て辛い場合は医師に伝えて、薬を変更してもらったり、副作用を抑える薬を併用したりすることもできるので相談してみましょう。

 

【精神療法】

休息と薬物療法を続けることで症状は徐々に良くなりますが、原因であるストレスの対処法や考え方の癖などが今までと同じだと、またうつ病を再発することが多いです。そのため、ストレスへの対処法や考え方の癖を見直し、ストレスをうまくコントロールできるようにカウンセリングや精神療法でトレーニングをおこなっていきます。

 

精神療法には、認知行動療法や森田療法などさまざまな種類があるので、自分に合った方法で少しずつ治療をすることが大切です。

 

うつ病の治療は、休息や薬物療法で症状はいったん良くなっても再発することが多いので、治療が長期化することが多いです。ですが、焦らず長い期間をかけて少しずつ治療をしていくことで必ずよくなるので、ゆっくり治療を続けていくことが必要です。

 

保育士さんにうつ病が多い理由とは?

保育士さんはうつ病になる人が多いと言われています。先ほどのうつ病の原因に当てはめてみると、保育士さんに特徴的なのは、まず職業に関連したストレスが大きいことです。

 

保育士という職業は、まだ首も座らない乳児から多感な時期である就学前までの幼児を保護者から預かって、その安全を確保しなければいけません。生命を預かるというストレスはとても大きいものです。

 

また、ただ見守るだけではなく、毎日の保育業務に加え発表会や運動会などさまざまな行事もあり、その準備や練習などしなければいけないことも山ほどあります。また、保育士間や保護者との人間関係など精神的なストレスも大きいといえますが、保育士のさまざまなストレスに対するフォローは追いついていないのが現状です。

 

このように、身体的なストレスと精神的なストレスが多大にかかる保育士さんはうつ病のリスクが高いといえるのです。また、保育士になる人は、真面目で優しく、責任感が強い人が多くいため、性格もうつ病の発症に影響していると考えられます。

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うつ病かも知れないと思ったらして欲しい5つのこと

  • うつ病の症状を感じたらまず相談を!

うつ病は、脳内の神経物質が減少し伝達がうまくいかなくなることで起こる病気なので、自分が努力をしたり時間が経てば治るというものではありません。必ずうつ病には治療が必要なので、眠れない、気持ちが落ち込むなどうつ病の症状があるときは、1人では悩まずまず周囲に相談することが大切です。

 

職場の人に相談しにくいようであれば、初めは家族や友人に相談してもよいでしょう。また、症状が長引くときは、専門の医師に相談しきちんと診断を受け適切な治療を受けることが必要です。このとき、職場を退職するなど大切な決断は1人ではおこなわないようにしましょう。

 

  • 症状が改善しなければ休息することも大切

うつ病は治療せず放置したままにしていると、徐々に症状が悪化し重症化してしまうことがあります。症状がいつまでも改善しないときは、休息することを考える必要があります。真面目で責任感が強い保育士さんは、年度の途中で休むことに強い罪悪感をもつ方もいるかもしれませんが、子ども達の先生の変わりはいても自分の人生の変わりは誰もできません。まずは、自分が元気になることを最優先に考えましょう。

 

どの程度休むかは症状の程度によって決めなければいけないので、まずは医師と相談しながら職場の上司に現状を伝えます。少し労力が要りますが、病気を理由に職場を退職する必要はないので、退職等の言葉は伝えないようにします。まずは医師の診断書と必要なお休みの申請をおこないましょう。

 

「仕事を休むこと」は何も悪いことではありません。必要なことであり労働者の権利でもあるので、まずは休むことが必要であることを自分でもきちんと理解することが大切です。

 

  • 働く保育園の保険制度や福利厚生を見直そう

もし、職場を休むことになった場合、有給休暇の使用や病気療養のための欠勤、休職やその間の傷病手当金についてなど今後のことを職場の上司に確認をしておきましょう。労働者が病気になり休みをもらった場合、その間の給料の支払いや傷病手当金の申請などは職場によって少しずつ違います。特に小さな保育園ではきちんとした社則がない場合もあるので、必ず確認をしておくことが大切です。

 

辛くしんどいときは、確認の作業や手続きなどが辛く感じるかもしれませんが、受けられる制度は最大限に受けて生活に困るといったことがないようにします。難しい場合は、両親や代理の人にお願いをしてもよいでしょう。

 

  • 働き方の見直しを相談してみよう

短期のお休みで復帰できた場合でも、また同じ生活に戻ると再発の恐れがあるのがうつ病の特徴です。責任感の強い保育士さんなら、結局、少しだけ休んでまた頑張ってしまい再発するということも多いです。

 

うつ病や体調不良を繰り返す場合は、常勤という形にとらわれず、非常勤やしばらくアルバイトという形に変更してもらうことを考えてもよいでしょう。退職してしまうとなかなか復職できなくなることや、気持ちも辛くなってしまう方が多いので、医師や職場の上司と相談しながら働く時間を少し減らすなど働き方を見直すことも大切です。

 

  • 働く場所を変えてみよう

それでも症状が良くならない場合や仕事が辛いという場合は、退職することを考えましょう。退職しても罪悪感を持ったり働けないことに焦ったりする必要はありません。うつ病を治すためには、きちんと治療を受けて自分のペースで少しずつ回復させていくことが大切なのです。

 

復職することになった場合も、すぐにストレスが多い保育園で働くのではなく、院内保育園や小規模乳児保育園など行事が少ない保育園や小規模の保育園など働く場所を変えるという方法を考えてもよいでしょう。保育園以外にも、保育士を生かして働ける職場はたくさんあります。最初はなるべくストレスが少ない場所で復帰を考えるのも方法の一つです。

 

うつ病は必ず治療が必要です!まずは相談が大切

ストレスの多い環境の保育士さんは、うつ病になる方が多いです。また、うつ病になっても辛いまま何年も無理をして悪化させてしまう方も多くいます。うつ病かも知れないと思ったら、できるだけ早く周囲に相談をしてまずはお休みをすることが大切です。

 

うつ病になった場合、すぐに退職という方法ではなく休職をしてから復帰することもできますし、働き方を変えるという方法もあります。それでも良くならない場合は退職もできるので、こうでなければいけないと決めてしまわず、ゆっくり自分のライフプランを見つめ治すようにしましょう。焦らないことが、うつ病の治療をスムーズに進めるためには一番のポイントなのです。

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参考:うつ病にさようなら。辛くない保育園をさがしたい保育士さんのバイブル

  

※『私、保育士辞めたい。』は、すべての記事が保育士経験者や、現役の保育士によって書かれています。実体験を元にした、保育の現場の声が、一人でも多くの方にお届けできればと願っております。