保育士辞めたいの私だ

Suicide Outreach ~保育園という『戦場』で傷つき、生き残り、うつや悩みで辞めたい現役保育士を救済するブログ~

全部教えます!保育士業界のブラック伝説

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現在、何かとマスメディアで騒がれている保育問題。

世間のお母さんたちの「保育園が足りない!」「入園できない!」という悲痛な叫びが聞こえてきます。保育園不足の諸問題の背景を探っていくと、必ずたどり着くのは保育士の待遇の悪さ。

一言で言ってしまうと、民間の保育園はブラックな職場が多いのです。

しかし、保育園で働く保育士には守秘義務があるため、保育園の中で起こっていることは基本的に口外できません。

さらに、一般企業で働いている人たちとは違い、仕事の中で関わるのはほとんど同業の女性ばかり。出張も営業活動もありませんからね。

そんな狭い世界で働き続けていると、「ありえない」ようなことも、当たり前になってしまうのです。

 

まずは、保育園の中で実際にどんなことが起こっているのか?

なぜブラックと言われているのか?

真実をお伝えします。

※個人情報保護のため、名称や年齢等は実在の人物とは異なります。

 

労働時間にまつわるブラックエピソード

 

保育士と言えば、残業と持ち帰り仕事で忙しいイメージがありますよね。実際、自分のキャパシティを超えるほど働いている保育士は大勢います。

残業は奉仕の心で行う

夜は22時過ぎまで保育園に残って仕事をすることもある保育士。毎日の残業が続き、体調を崩してしまう人もいます。さらに、残業代は1円も支払われない保育園がほとんど。保育士はサービス残業をしながら、書類を作成したり行事の準備に追われているのです。

それならば効率良く規定の勤務時間内で仕事を終わらせて、定時で帰れば良い!と思うのが普通でしょう。以前、そのような考えのもと定時に帰っていた同僚がいましたが、最終的には園長に呼び出され「奉仕の心がない」と怒られてしまいました。

自分の仕事が終わっていたとしても、他の保育士が残業をしていたら残って手伝うのが当たり前、という考えの世界なのです。残業=子どもたちへの愛と考える上司だっています。

結局その同僚は、翌年の春に辞めてしまいました……。

タイムカードは無い

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保育園のほとんどは、手書きの出勤簿に印鑑を押すような形で職員の出勤を記録しています。一般企業は、タイムカードに打刻するようなものだったり、タッチ式のカードで出勤時間を管理しています。しかし、保育園は厳密に出勤時間を管理していないところがほとんど。何時に来て、何時に帰ったかは記録されていないのです。

私が前に勤めていた職場では、監査の前に全職員分の出勤記録を上司が書き直すという事件(?)が発生しました。もちろん、定時出勤、定時退社です。ブラックな一面など微塵も見せない、ホワイトな出勤簿を偽装していたのです。知人の弁護士に相談したところ、そういったことは2年以内なら訴えられる可能性が高いとのことです。しかし、職場内で起きたことを大事にしたくない……と思うのが保育士さんの本音でしょう。

出勤記録をごまかされても、勇気を持って訴えられる人は少ないようです。

 

人間関係にまつわるブラックエピソード

保育士の悩みどころに、職場の人間関係があります。女同士の人間関係、やはり簡単にはいきません。しかし「そんな非常識が許されるの!?」というエピソードも存在します。

 

園長家族と仲良くなっておくと有利!?

家族経営の保育園に勤務している場合、経営者との親密な付き合いは災いのもととなりますので要注意です。

たとえば、夫婦で経営している保育園の場合、夫婦と仲良くなるとプライベートでもお誘いがあったりします。ホームパーティーに呼ばれたり、経営者の子どもの世話を頼まれたり。分のプライベートまで干渉される可能性があるのです。

しかし、経営者と仲良くなることによって、職場で自分の立ち位置が安全になると考え、あえて仲良くなろうと企む職員もいます。そうすることで、主任や副園長よりも発言権を得られると思っている人もいるようです。女の世界って本当に怖いですね。大奥のようです。

しかし、そのように経営者に気に入られようと不自然な行動をする姿は、同僚がしっかり見ています。少しずつ味方を失っていくことになるのです。

 

いじめに耐える保育士がエライ

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女の職場では、いじめが起こりやすいものです。保育園でもいじめの話はよく聞きます。子どもたちには「お友達に優しくしましょうね」と言っているにもかかわらず、平気で同僚に意地悪をする先生がいるのですから、不思議です。

いじめがなくならない原因の1つに、いじめが通過儀礼化しているという事実があります。つまり私は新人の時に先輩にこっぴどくいじめられたわ。だから、あなたも新人のうちは耐えなさい。そうやって一人前になるのよ」という考え方を先輩から押し付けられるのです。いじめられた、と被害を申告しても、「そんなの私だって経験あるわ」とあしらわれてしますのです。

はっきり言って、いじめが人を育てるなんてあり得ません。保育所保育指針には、そんなことは書かれていません。人は、自分がされたことを、自分よりも弱い立場の人にも経験させたくなる一面があるようです。自分の辛い過去を肯定するために、他者を利用してそういった行動をとるようです。

 

園長のお気に入りだけ交通費をもらえる

職員のお給料は、就業規則によってきちんと定められているはずです。法人であれば、そうでなければいけません。

しかし、保育園では不思議なことが起こります。私自身が経験したことですが、通勤費用を満額もらえないことがありました。契約時に渡された書類には、「交通費は月に2万円まで支給」と書いてあり、私が請求する額は「1万6千円」規定の範囲内のはずです。しかし、1万円しか支給されなかったのです。

すぐに経理担当の職員に聞いたところ、「園長先生は満額支払うと約束しましたか?」と聞かれました。特に口頭でそのようなやり取りはしていなかったので「いいえ」と答えると、「じゃあ、1万円で」という返事。……まったく意味が分からなかったため、他の職員にも聞いてみたところ、交通費を満額支給されている職員と、そうでない職員がいることが分かりました。なんと、園長はお気に入りの職員にだけ交通費を満額支払っていたのです。あまりにもバカバカしくなり、その園はすぐに辞めました。

他にも、冠婚葬祭時に包むお金は、園長先生のお気に入りの職員しか貰えない、といった逸話もありました。お給料ではないにせよ、そういったやり取りにまで私情が絡んでくるとは驚きました。大人が働く職場とは思えませんね。

 

転職にまつわるブラックエピソード

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こんなブラック保育園で働けない!!と思った時、頭をよぎるのは転職ですよね。しかし、転職しようと思っても、なかなかうまくいかない……という保育園もあります。

 

次の転職先について、執拗に聞いてくる

新しい勤め先が決まっていながら働くのは、やりづらさがあると思います。ここは心を鬼にして、周囲の職員の噂話は聞かず、自分の業務をきちんとやり遂げることが大切です!

しかしながら、「次の園はどんなところなの?」「お給料は?」「何歳児なの?」など、同僚や上司から棘のある質問攻撃を受ける可能性もあります。違う場所に飛び立ってしまう人を、優しく見送る余裕はないのかもしれませんね。

 

退職するならば1年前に申告して!

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退職をする1ヶ月前に退職願いおよび退職届を提出するというのが、どの会社でも通説となっています。おそらく職務規程上は保育士もそう定められているところがほとんどのはず。

しかし、来年度のクラス編成のことなどを考えると、1ヶ月前では遅いためせめて3ヶ月前に申告するのがベストかもしれません。(残り3ヶ月は働きづらいですが…)

しかし、それでも「遅い!」と怒られることがあるのです。以前、私が勤めていた職場では6月頃に「次のステップに進むため、年度末でここを退職したい」と主任に話した職員がいました。退職の10ヶ月前に相談したことを考えると、かなり余裕を持った申告ではないでしょうか。

しかし、それでも「なんでもっと早く言わなかったの!」と怒られたそうです。あなたが辞めると分かっていたなら、年長クラスは他の先生に頼んだのに、と。クラス編成を行う前に知りたかったというのが、上司の言い分でした。それには同僚もショックを受けていました。

契約上は「退職の1ヶ月前に申告」と決まっているにも関わらず、だいぶ前に話しておかないと怒られてしまう。保育士の辛いところです。

ブラックな保育園は1人の力では直せない

紹介したようなエピソードまでとはいかなくても、似たようなことを体験した保育士の方はいるのではないでしょうか?どうして自分はこんな保育園に就職してしまったんだ〜……と後悔しながらも、保育園の環境を改善しようと必死に戦おうとする人もいます。

しかし、職場の頂点に君臨しているのが園長先生である以上、一人の職員が職場の実態を変えることは難しいと言えます。正義感に駆られて、ブラックな面を正そうとすることで、自分が攻撃に遭ったり、保育に集中できないほど疲れてしまったりする可能性も考えられます。

経営者ではなく雇われている職員である以上、違う保育園を探してみるという方法を選んでも良いのです。

 

ホワイトな保育園はどうやって探せばいいの?

次に働くなら、ブラック保育園ではなくホワイト保育園で働きたい!と思うところです。しかし、実際に働いてみないと内情は分からないもの。

そこで、効率よく保育園同士を比較するために、保育園の一括応募サイトを活用するのもアリです。同時に応募して、複数の園から内定を貰い、その中から就職先を選ぶことも可能です。個人で複数応募するのは難しくても、転職サイトが間に入ることで、保育士側もシビアな目で職場を選ぶことができます。

さらに、自分の条件に合わせて保育園を紹介してくれたり、転職に関する相談に乗ってくれたりするので、力強いミカタ!!保育園選びで失敗したくない……!と思っている方は、ぜひ活用してみてください。

 

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著者:東京都在住 20代後半 女性 元保育士

 

【対策!】>>>「ブラックかな?」少しでもそう感じたら、直観を信じて転職先の保育園をさがしてみる事が重要。たとえ転職活動中に冷静に現在の園を見た時に、残留を選択したとしても、その客観的な目線で自身の職場を確認できたことが、大きなメリットになります。

 

※『私、保育士辞めたい。』は、すべての記事が保育士経験者や、現役の保育士によって書かれています。実体験を元にした、保育の現場の声が、一人でも多くの方にお届けできればと願っております。